会議は踊らず
昭和40年代の事務机
(大分県豊後高田市「昭和の町」)
(【尾灯】写真) RICOH Quarterly HeadLine Vol.28 2020 夏
在宅勤務が続く。リモート会議システムに慣れると、定型業務は意外にこなせる。パソコン画面上のやり取りはもどかしいが、通勤の時間コストに比べれば、我慢できないレベルではない。馬鹿にしていたオンライン飲み会も、今ははしゃいでいる自分が恥ずかしい。ただしバーチャルの世界には、リアルの世界にない違和感を覚える。「予定調和」という名の妖怪が、会議や打ち合わせの参加者を支配するからだ。会議を早く終わらせようと、皆が優等生になる。画面を流れる空気に従い、必要最小限だけ発言する。だから、リアルな世界と比較すれば、良い意味での不規則発言や少々場違いの提案、冗談の類がめっきり減った。会議は進む、されど踊らないのだ。だから面白味を欠くし、斬新な発想も生まれにくい。思考の範囲がパソコン・スマホの画面サイズに規定され、かなり狭まる気もする。それで当面はよいけれど、そんな人間の仕事は将来、人工知能(AI)やロボティクスに奪われるんだろうな…。本日もお疲れさまでした。(N)